昨年、注目を集めた良著「ザッポスの奇跡」。
靴のネットショップ「Zappos」が米国において、
いかにして成功を遂げたかを、
平易な文章でまとめた良著です。
ザッポスは自らを「靴のネットショップ」ではなく、
「たまたまネットで靴を売っているサービス会社」と自認しています。
それだけ、ザッポスが顧客満足に力を注いでいるということですね。
そんなザッポスを率いるCEO・トニー・シェイが自ら筆を執った、
自伝的な「ザッポス伝説」を読みました。
この本は、トニー・シェイがいかにして今に至ったのか、
時系列で細かく書かれているほか、
起業家としての大切なマインド、そのヒントがちりばめられています。
靴は、極めてSKUの多い商品です。
そしてネットショップは、在庫をどこにおいても構わない。
嗜好性も強い。
つまりドロップシッピングに適した商材です。
しかし、問屋・メーカーに在庫が無かったり、
配送までのリードタイムが長いなどなど、
5%のカスタマーは不満を持つ。
それを解消するためには、巨額の在庫高というリスクを抱えなければならない。
そして彼は、在庫を抱えることを選択したわけです。
毎日仕事をしていると、目の前のことにとらわれて、
まさに木を見て森を見ず状態になりがちです。
起業家として大切なことは、
目の前のことも当然こなしながら、数年先を見据えたビジョンを持ち、
その通りに行動すること。
顧客中心主義、カスタマーセントラルは、
ネットショップに限らずすべての業種の目指すべき方向です。
しかし、ふと気がつくと、目先の利益を優先してはいないだろうか?
そんな気づきを与えてくれた、良著でした。
最後に。
彼は起業家としての心構えを、
ポーカーゲームに喩えてこう書いています。
・着くテーブル(=市場)は自ら選択できる。
・ゲームの仕方を理解しないままに参入しないこと。たとえ大勢が儲けていても。
・驕るな。自分よりも上手い人は常にいる。
ひとつ驚いたのは、リンク・エクスチェンジを作ったのも
トニー・シェイらだそうなんですね~
ビックリです。