まずはやってみる!カフェ買収から、ベトナム法人ごと手放すまで!

ホーチミンのカフェで佐藤大介と現地メンバーが並ぶ開業時の集合写真

この挑戦では、ホーチミンのカフェを買収し、その運営主体となるベトナム現地法人を設立しました。2024年10月4日、高島屋Saigon Center前の目抜き通りで営業を開始!ここから、現地の若者たちと新しい事業をつくる挑戦が始まりました。

社員を採用し、カフェの2階を仕事場に変え、商品ページ制作、さらにシステム開発へ。目の前に可能性があれば、まずはやってみる。勢いのあるホーチミンで、できることを一つずつ広げていきました!

2024年10月4日、カフェから始めました!

ホーチミンの路地にあるカフェの案内看板

初めてホーチミンへ来たのは、その11年前です。当時からエネルギッシュだった街は、熱気を残したままインフラも整い、高度成長を続けています。この街でカフェを買収し、新たにベトナム現地法人を設立。「ここからがスタートだ」。そう思って、新しい拠点を動かしました。

午前中に求人を出せば、午後には面接、翌日から出勤。日本で考えていた時間の感覚とはまるで違いました。何が起こるか分からない。だからこそ面白いし、動けば自分も成長できる。集まった若いベトナム人社員と一緒に、「共に成長、共に成功」をここでも形にしようと走り出しました!

売上はまだまだ。それでも、人が熱い!

開業1か月後のホーチミンのカフェ店内と来店客

開業から1か月が過ぎた2024年11月。売上は、まだまだでした。新しい店を開けば、すぐ結果が出るわけではありません。それでも少しずつお客様が増え、何よりマネージャーとスタッフのモチベーションが高かった。数字だけを見ていたら気づけない熱が、現場にはありました。

ホーチミンは混沌としていて、街を行き交う人も社員も若い。その中へ入ると、自分まで若返ったような気持ちになりました。「良い会社にしていこう」。結果が出る前だからこそ、社員の前向きさがうれしく、こちらも負けていられないと思いました。

日本なら1か月、ベトナムなら1日?!

ホーチミンのカフェでパソコンを開いて働く人たち

2024年12月には、週末に求人を始め、オンライン面接とテストを行い、一次通過者へ連絡しました。ホーチミンへ着いた日に直接会い、その場で採用を決め、翌週月曜日から勤務開始。日本なら1か月かかりそうな採用が、一気に進みました。

まずやってみる。即断、即決、即行動。荒削りなところもありましたが、この速度は私の性に合い、最高に心地よかった。反面、2025年2月に求人を出すと応募は41人。書類選考を経て、その日に6人、翌日にさらに3人と会う予定を組みながら、ベトナムの速さについていくには、自分の努力がまだ足りないとも感じました。

カフェ2階を、次の仕事場にする!

カフェのデザインオフィスづくりを進めた時期の佐藤大介と現地メンバー

2025年1月、運営していたカフェの2階にデザインオフィスをつくりました。目的は、イーウーパスポート会員様の商品ページを、もっと速く、もっと安く仕上げること。飲食店だけで終わらせず、中国輸入の仕事とベトナムの人材をつなぐ拠点へ変えようと考えました。

テト前は転職が活発になる時期です。求人を出せば、その日のうちに候補者が集まり、翌日には面接して採用する。このスピード感の中で、新しい仕事を形にしていく。アドレナリンが出るような毎日でした!

応募41人、正社員4人。本格始動!

ホーチミンの衣料品売場で商品撮影とパソコン作業を行う現地メンバー

2025年3月、新たに2人を採用し、ベトナム現地法人の正社員は4人になりました。日本語を流暢に話せる即戦力も加わり、イーウーパスポート会員様向けの新サービスを先行して始める準備を進めました。

商品をどう見せるか、現場で何を撮るか、どのように仕事へつなげるか。パソコンの前だけではなく、実際の商品が並ぶ場所へ行き、現物と向き合いました。日本の成熟市場で積み重ねた経験と資本を、ベトナムの若い力と成長市場へ結びつける。相手から一方的に収奪するのではなく、利益を現地と日本で分け合うことが、私の目指す海外事業でした。

カフェから、システム開発会社へ!

ホーチミンのカフェ内でノートパソコンを開いて仕事をする現地メンバー

2025年5月には、現地メンバーが毎日奮闘してくれたことで、少しずつ事業が形になってきました。情熱を持った若者たちと働けることが刺激になり、アイデアもリソースも整ってきた。「あとは前へ進むだけだ」と、本気で思っていました。

6月には、現地の若者たちとシステム開発会社を立ち上げたことを公表しました。カフェで始めたベトナムの挑戦が、商品ページ制作を経て、システム開発へ広がったのです。ベトナムの濃いコーヒーを昼にブラックで2〜3杯飲むと頭が冴え、気づけば夜中まで仕事をしていました。そんな日々まで含めて、「全部、結果オーライ!」と前へ進んでいました。

可能性はある。でも、私が続ける仕事なのか?

カフェの一部をオフィスにして始めたシステム事業には、半年ほど取り組みました。ベトナムは本当に勢いがあり、求人を出せば即日面接、翌週から出勤するほど速い。そのスピード感との相性も、決して悪くありませんでした。

そんなとき、すでにベトナムへ進出していた日本企業から、「サイゴン高島屋前の超一等地にある、このカフェを買いたい」というオファーが届きました。自分が買収して育ててきたカフェを、今度は誰かへ託す機会が目の前に現れました。

カフェもシステム開発も可能性はありました。しかし、どちらも私の本業ではありません。新しいことを始め、現地の仲間と形にしていくのは面白い。一方で、時間も人も資金も有限です。ここで続けるのか、事業を次の人へ託し、自分たちが最も力を発揮できる本業へ集中するのか。本気で悩みました。

勢いのある国で、相性も決して悪くない。それでも、システム開発は私にとって完全な門外漢です。事業の可能性を否定するのではなく、誰が続けるのが一番いいのかを考えた結果、私は本業へ集中すると決めました。

本業へ集中する!法人ごと売却して、次の人へ託す!

私は、撤退の決断が得意な経営者ではありませんでした。「ここまで頑張ってきたし……」「もう少しやれば何とかなるんじゃないか」。そう考えて先送りしたくなる気持ちは、正直にありました。けれど歳を重ねるほど、「時間」は以前にも増して貴重な資源だと強く感じるようになりました。

やり方を変える。それでも違うなら、手放す。感情ではなく事業の構造で考え、カフェだけを売るのではなく、ベトナム法人ごとバイアウト、つまり法人ごと売却して、事業を丸ごと次の人へ託しました。

売却後も、カフェは閉店していません。現在も同じ店名のまま、元気に営業しています。私が始めた挑戦を、別の人が続けてくれている。本業へ集中するために自分の手から離しても、事業そのものが生き続けるなら、それも一つの成功です。

挑戦したからこそ、自分たちが本当に力を注ぐべき場所も見えました。続けることだけが挑戦ではありません。まずはやってみる。そして、自分が続けるべき仕事ではないと判断したら、事業が続く形で次へ託す。そこまで決め切るのも、経営者の仕事です!